2009年11月02日-11月06日
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「中国宇宙開発の父」銭学森氏、北京で死去

2009年11月02日

 中国の偉大な科学者、銭学森氏が10月31日、病気のため北京で逝去した。98歳だった。

 銭氏は1911年12月11日に浙江省杭州市で生まれ、「中国宇宙開発の父」や「中国ミサイルの父」、「ロケット王」と呼ばれてきた。

 1934年上海交通大学機械工程学部を卒業、1935年米国に渡り、米マサチューセッツ工科大学とカリフォルニア理工大学で航空工学と空気力学を研究、1 938年カリフォルニア理工大学の博士号を取得する。そのまま米国に留まり、講師や准教授、教授のほか、超音速実験室やグッゲンハイムジェット推進研究センターの主任を務め、ロケット研究に打ち込む。

 1955年10月米国政府に阻まれながらも帰国を果たし、1959年に中国共産党に入党する。かつて中国科学院力学研究所所長、第七機械工業部副部長、国防科学技術工業委員会副主任など歴任。中 国科学技術協会名誉主席でもあった。

 中国のロケット・ミサイル技術の発展に極めて重要な実施プランを提出。1958年4月以降、長年にわたってロケット・ミサイルや宇宙船開発の技術指導にあたり、ロケット・ミ サイル事業や宇宙事業の発展に重要な貢献を果たした。全国政協副主席や中国科学院数理化学部委員をはじめ、中国宇宙航空学会名誉理事長、中国科技協会主席、中国自動化学会理事長を歴任。1991年10月、国 務院と中央軍事委員会から、傑出した貢献を果たした科学者に送られる栄誉称号と「英雄模範メダル」が授与された。

銭学森~中国の宇宙開発の父
 
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