2010年02月01日-02月05日
トップ  > 科学技術ニュース>  2010年02月01日-02月05日 >  中米の研究 、「液体透明マント」の実現に一歩前進

中米の研究 、「液体透明マント」の実現に一歩前進

2010年02月03日

 06年以降、ハリー・ポッターに登場する「透明マント」は、映画の中だけの話ではなくなりつつある。06年、物理学者のLeonhardt氏、Pendry氏はそれぞれ、米「サイエンス」誌において、「 透明マント」が実現可能となる物理的構造を発表した。この「透明マント」は、屈折によって光が物体を回避することで、物体がまるで存在しないかのように見えるというものだった。「科学時報」が3日に伝えた。

 国際的な学術雑誌「Physical Review Letters」は09年12月30日、復旦大学物理学部と、表面物理国家重点実験室の黄吉平教授および、その協力者たちによる論文「 磁性流体中における、光の負の屈折現象(Optical Negative Refraction in Ferrofluids with Magnetocontrollability)」を掲載した。同 論文では、「液体透明マント」の実現を可能にするシステムおよび独特な物理現象が明らかになった。

 1月8日、学術雑誌「New Scientist」は「いかにして液体透明マントを制作するか(How to make a liquid invisibility cloak)」をテーマに、こ の論文のプロジェクトについて詳細な報道を行ったほか、1月14日には「Science News」もこれについて特別報道を行うなど、同論文は世界的にも幅広い注目を集めている。

 このプロジェクトは主に中国国家自然科学基金の資金援助の下、黄吉平氏率いる国際チームが2年間をかけて実施していく。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます