2010年02月01日-02月05日
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中国、新人工繊維を開発

2010年02月05日

 明け方、霧が晴れると蜘蛛の巣にきらきら光る露の滴が付いているのを目にする。このことにひらめきを得たという新しい人工繊維についての発明が、英誌「ネイチャー」で発表された。この繊維は、蜘 蛛の巣のように空気中の水分を表面に付着することができるという。新華社のウェブサイト「新華網」が4日伝えた。

 中国科学院北京航空航天大学の研究者の報告によると、光学顕微鏡と電子顕微鏡で蜘蛛の巣を観察したところ、蜘蛛の巣に独特の露の滴を凝結する独特の構造をみつけた。2本の繊維からなる「主幹」上 にはナノレベルの繊維からなる紡錘形の小さな突起が分布し、空気中の水分が蜘蛛の巣の表面で凝結すると、この小さな突起の部分に集まり大きな露の滴になるというのだ。

 研究者らは、蜘蛛の巣のこうした独特の構造をまねて、ナイロンなどの素材で似たような「吸水蜘蛛の巣」を製造した。この新素材を霧の中に置いて実験を行ってみたところ、空 気中の水分が素材の表面で凝結し滴になった。この新素材は今後、空気中の水分獲得や工業フィルターといった用途への活用が期待されている。

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