2010年02月15日-02月19日
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中国、メラミンによる腎臓障害のメカニズムを解明

2010年02月23日

 黒竜江省衛生庁が22日に明らかにしたところによると、同省疾病抑制センターの専門家はこのほど、科学研究課題を通じて、メラミンが腎臓障害を引き起こすメカニズムおよび腎臓障害の特徴、結 石形成の条件などを国内外で初めて明らかにした。研究結果は、関連部門によるメラミンのリスク評価、食物・飼料におけるメラミンの安全制限値の制定に向け、重要な科学的根拠を提供した。同成果は、0 9年黒竜江省医薬衛生科技進歩一等賞を獲得した。「科技日報」が23日に伝えた。

 メラミンは食品添加剤ではないため、国内外においても、メラミンの毒性についての研究資料はとても少なく、メラミンによる腎臓障害の量影響関係、結 石と腎臓障害の関係などについてもこれまで深い検討がされてこなかった。

 黒竜江省疾病抑制センター毒物学所の王玉燕主任医師らは、メラミンによる腎臓結石形成の科学的で重複性があるラットモデルを初めて確立し、同疾病のプロセスを再現した。この研究結果により、腎 臓はメラミンの毒作用の標的器官であることがわかった。

 腎臓障害のメカニズムは、まず、メラミンが胃の中で胃酸により加水分解し、シアヌル酸になった後、腎臓の中で再びメラニンと結合してメラミンシアヌレート結晶になる。こ の結晶が尿細管を詰まらせることから、腎臓の体積と重量が増加し、尿細管の押し出し作用によって、腎組織が血液不足となり、ここから腎臓障害が引き起こされる。

 専門家は、「同課題により、中国のメラミン毒物学研究の空白が埋められた。同課題はまた、基礎医学、薬学、臨床医学にとっても重要な意義を持つ」と述べる。

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