2010年02月15日-02月19日
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中国人科学者 超新星爆発の全プロセスを初観測

2010年02月23日

 ウルムチ天文台の王娜台長はこのほど、新疆の科学者・劉祥氏がこのほど観測が極めて難しい銀河系外星雲の超新星(大質量の恒星がその一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象)の 全プロセスを捕らえることに成功したことを明らかにした。このことは、恒星の変化の研究にとってとても重要な意義を持つ。中国の科学者が超新星の全プロセスを観測したのは今回が初めて。科学網が23日に伝えた。

 劉祥氏は08年2月18日、25メートルのラジオ・テレスコープを用いて銀河系外星雲の電波量を観測しているとき、銀河系外星雲M82の超新星爆発を偶然発見した。同現象は、地 球から1千万光年離れた位置で発生したもの。劉氏はプロジェクトグループとともに、光度曲線を用いて、超新星の前身となった恒星の質量放出率、放射エリアの磁場、膨張速度などの情報を獲得した。

 劉氏らプロジェクトグループによる論文は2010年1月15日、ヨーロッパの有名な天文雑誌「Astronomy and Astrophysics」に発表され、同雑誌の注目文章に選ばれた。また、同 雑誌により「超新星爆発は興味深いものだが、なかなか発見されることはない。爆発時の完全な光度曲線を観測することは、非常に珍しい」と評価された。

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