2010年04月19日-04月23日
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中国 ブタの黒い毛色に人為選択が影響

2010年04月27日

 中国科学院昆明動物研究所の張亜平・院士と施鵬・研究員の指導のもと、雲南大学の博士生・李晶氏などがこのほど、中国のブタとイノシシにおける、MC1R遺伝子(哺乳類の毛色決定に要となる、メラニン色素の生産にかかわる遺伝子)の研究を行った。研究の結果、ボトルネック効果と人為選択により、ブタのMC1R遺伝子の多様性が失われ、さらに、強い人為選択により、黒い毛色を発現する突然変異が急速に固定したことが明らかになった。「科学時報」が26日に伝えた。

 研究によると、黒い毛色のブタは、早期の馴化の過程で受けた特殊な傾向による可能性がある。中国では古代、祭祀において毛が真っ黒のブタを生贄にする文化があったことから、MC1Rは人為選択によって形成された遺伝子の可能性があるという。

 同研究は人為選択による動物の外見変更に対して、強力な証拠を提示しただけでなく、中国の古代文化による人為選択が動物に影響を与えたという興味深いモデルとなった。同研究論文は雑誌「Heredity」で発表された。

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