2010年04月19日-04月23日
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各国の植物学者と協力  「パン・ヒマラヤ植物誌」製作へ

2010年04月28日

 「パン・ヒマラヤ植物誌」製作プロジェクトの始動式で中国科学院の洪徳元院士は、12年かけて中国、英国、インド、ネパール、日本、米国の植物学者が協力し、ヒマラヤ地域の植物に関する全面的、系統的、科学的な観察記録をとっていく考えを明らかにした。「科技日報」が28日伝えた。

 洪氏によると、パン・ヒマラヤ地域は地球で最も高い位置にあり、高山植物が豊富で、気候変動に極めて敏感といえるが、現在は大昔の散在した資料しかない。同地域に生息する植物は約2万種と目されているが、実際にはもっと多くの植物が生息している可能性が極めて高い。

 これほど広範な地域の植物を初めて記録する「パン・ヒマラヤ植物誌」は、現有の標本や文献を十分に活用した上で、重点地域や未踏地域で積極的な調査や収集も行われる。12年後には世界最大の、特色ある植物誌が完成する予定だ。同書は「中国植物誌」に続く歴史的な植物学の大プロジェクトになる。今回は中国の植物学史上初めて国際的な協力を得て中国が主体となってプロジェクトを引っ張っていく。

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