2010年05月03日-05月07日
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中国初、微生物エネルギーシステムを使ったモデル事業が開始

2010年05月06日

 一般的にはただ恐怖でしかない大腸菌が、もしかすると汚泥処理の「掃除夫」になるかもしれない。中国で初めて「コンピュータ補助による細菌選別技術」を 使って汚泥処理と発電を行うエネルギーモデル事業がこのほど、南京ハイテク区で始まった。欧陽平凱院士と趙淳生院士率いる専門家チームは、国 内の汚水処理工場が長年頭を抱えてきた汚泥処理問題がこの新技術で有効に解決できると考える。「科技日報」が6日伝えた。

 米国籍の科学者、周楚新博士が昨年、微生物エネルギー研究センターを南京ハイテク区に設立。研究者らはメタンガスの生産量を高める微生物を選別し、汚 泥から生成されるメタンの分解とメタンを利用した発電を可能にした。周氏が新たに開発したメタン微生物反応器は従来の嫌気性消化よりもガス生産量が大幅に増える。この技術は、米 カリフォルニアにあるダブリンサンラモン汚水処理工場ですでに応用され、08年以降、同工場の汚泥処理量は25-30%削減され、毎年汚泥処理費や電気代など約200万ドルの経費削減につながっている。

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