2010年05月03日-05月07日
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汎用型航空機フラッター試験装置の開発に成功

2010年05月07日

 中国空気動力研究・発展センター低速所(以下、低速所)とロシア中央流体力学研究院が共同で開発した新型の「航空機フラッター試験装置」がこのほど設置と検査を終え、検証テストに合格した。中 国最先端のフラッター試験装置である同装置は、中国におけるフラッター試験の範囲および能力の向上・開拓に向け、技術的サポートを提供するものとなる。「科技日報」が6日に伝えた。

 航空機は飛行速度が速すぎると、フラッター現象(飛行機の翼や胴体などが、風や気流のエネルギーを受けて起こす破壊的な振動)を誘発しやすい。その場合、直ちに機体のコントロールを行わなければ、最 悪の場合空中分解を招いてしまう。

 低速所は長年にわたり、大型航空機「運10」、爆撃機「殲轟7」、運輸機などの機体に対するフラッター試験を幾度も行い、安全飛行に向けた信頼できるデータを提供してきた。しかし、汎 用性のある試験装置がなかったため、1つの装置で1つの機種の試験を行うことしかできず、研究範囲が制限されていた。

 フラッター試験の発展における「ボトルネック」解消に向け、低速所は近年、技術力を集中させて難関を突破、国外の進んだ技術を取り入れ、1年以上にわたる研究の結果、同装置の開発に成功した。同 装置はすでに、低速風洞に設置されている。同所の科学技術スタッフによると、同装置は汎用性が高く、戦闘機および民用機の試験ができるほか、強度、硬度、周波数などの技術指標も全て要求を満たしているという。

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