2010年06月14日-06月18日
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中米、共同研究により新型細菌発見 メキシコ湾の浄化に有効

2010年06月17日

 中米の科学者はこのほど、殺菌性天然界面活性剤「ラムノリピッド」を生み出す「特殊能力」を持つ細菌「NY3」を発見した。「ラムノリピッド」は原油中の有毒化合物を分解することができるため、原 油流出で汚染されたメキシコ湾を浄化することも可能だという。中国日報網が15日、インド・アジア・ニュースサービス(IANS)の報道として伝えた。

 米オレゴン州立大学が発表した声明によると、細菌「NY3」から生成される天然の界面活性剤「ラムノリピッド」は、微生物・人体・動物に対して毒性を持たず、メ キシコ湾の原油流出事故により流出したPAHs(多環芳香族炭化水素)、発がん物質、突然変異を誘発する化合物などを分解することが可能だという。

 専門家によると、流出した原油のうち、魚、野生動物、人類にとって最も深刻な毒性を持つのが、PAHs由来の物質であり、これらの物質は発がん、免疫システムの破壊、繁殖への影響、神 経系の損害などをもたらす。専門家は、「NY3」から生成された「ラムノリピッド」は、温度、酸・アルカリ度、塩分などが異なる環境でも相対的に安定を保ち、原 油中のPAHs化合物少なくとも5種類を分解することができるという。

 同研究を行ったのは、米オレゴン州立大学、中国の西安農業科技大学、南京農業大学による合同研究チーム。オレゴン州立大学は現在、同発見の特許申請を行っている。

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