2010年07月01日-07月02日
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専門家 「中国人は遺伝子組換え食品を心配しすぎ」

2010年07月01日

 ヒトゲノムのドラフトシーケンス解析10周年となった26日、国内外の研究機関が各地で記念イベントを行った。中国科学技術協会普及部、中国科学院北京ゲノム研究所、遺伝・発育学研究所、中国遺伝学会なども北京で記念イベントを行った。「科技日報」が1日に伝えた。

 中国科学院北京ゲノム研究所の于軍・副所長は、「中国の遺伝学発展は、将来に向けて必要な準備をしっかりと行うべきだ。必要な準備とは、遺伝やゲノム学に関する科学普及・宣伝業務だ。米国がヒトゲノム解析のプロジェクトを立ち上げた当時も、科学普及・宣伝を計画の一部として組み込んだ。10年前にゲノム解析が完了したときは、クリントン大統領がスピーチを発表し、テレビ・ラジオがそれを生放送で伝え、多くのアメリカ人が各地で行われた記念祝賀イベントに参加した」と述べた。

 于軍・副所長はまた、「科学普及の役割として、わかりやすい例の1つに、遺伝子組換え食品への態度がある。アメリカ人は中国人と違って、遺伝子組換え食品に対して『過度の心配』をしていない。彼らは遺伝子組換え食品が、噂で言うほど恐ろしく有害なものではないということを知っているからだ。中国は、遺伝子組換え食品問題への態度を、科学的な認識ではなく、大衆の意見の良し悪しによって決めているようだ。将来訪れるゲノム学時代、個別化ゲノム時代において、我々は遺伝子組換え食品よりももっと難しい問題に直面するかもしれない。例えば法律問題、倫理・道徳問題、個人のプライバシー問題などだ。このため、ゲノム新時代に向けての科学普及宣伝を今からしっかりと行って備えを万全にし、ゲノム学の発展と応用のためにさらなる発展の空間を提供していくべきだ」と述べた。

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