2010年08月23日-08月27日
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中国式インテリジェント電力網 全面的建設へ

2010年08月23日

 国家電網公司はこのほど、中国の電力網が比較的分散しているという特徴を踏まえて、「中国式インテリジェント電力網」の定義を打ち出した。それによると、中国式インテリジェント電力網とは、超高圧電力網を基幹ネットワークとし、各レベルの電力ネットワークがバランスよく発展した堅固な電力ネットワークを土台とし、先進的な通信技術、情報技術、制御技術を利用し、情報化、自動化、相互作用(インタラクティブ)化を特徴とした、統一的で堅固なインテリジェント電力ネットワークを指すという。「人民日報」海外版が22日伝えた。

 同公司の計画によると、中国のインテリジェント電力網は今後、3つの発展段階を歩むことが予想される。第一段階は2009年から2010年にかけての計画・試行段階、第二段階は2011-15年の全面的建設の段階、第三段階は2016-20年のグレードアップの段階で、この3段階を経て統一的で堅固な電力網が全面的に構築され、技術や設備が世界のトップレベルに到達する見込みという。

 同公司のインテリジェント電力網を冠したプロジェクトの第一期・第二期集中入札がこのほど北京市で発表され、インテリジェント電力網という巨大な新興エネルギー産業のパイが徐々に分配されつつあることをうかがわせた。中国科学院(科学アカデミー)電工研究所の肖立業所長によると、インテリジェント電力網の波及する範囲は広く、機器や計器、情報通信ネットワーク、電動車、インテリジェント家電などさまざまな分野をカバーする。またインテリジェント都市や新たな金融業務といった、さまざまな新産業を派生させる可能性もある。計画や建設を含めて、2040年には生産額が40兆元を超えることが予測される。

 インテリジェント電力網は経済成長を牽引すると同時に、ネットワークの建設を通じて、ネット利用者のエネルギー利用スタイルを効果的に改善し、化石燃料の使用量を削らし、低炭素経済を実現させるとみられる。同公司の劉振亜総経理(社長)はこのほど行われた、2010中国(上海)万国博覧会(上海万博)の国家電網館の特別イベントデーのフォーラムで、「2020年には、中国のクリーンエネルギー設備容量は6億キロワットに達して、全国の設備容量の約35%を占め、発電量は全国の約27%を占めるようになる。今から2020年をめどとして、堅固なインテリジェント電力網を受け皿としつつ、各方面がともに努力して、二酸化炭素(CO2)の排出削減量が累計100億トンを超えるように推進していきたい」と発言した。

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