2010年09月06日-09月10日
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中国の惑星科学、人材養成が空白

2010年09月07日

 新たな月探査や火星探査の波が押し寄せているが、中国の大学では惑星科学に関する人材の養成が空白の状態だ---。「嫦娥の父」として名高い中国月探査計画首席科学者の欧陽自遠氏と中国地質大学(武漢)の肖竜教授は時を同じくして「わが国は惑星科学に関する研究を進める人材養成に力を入れなければならない」と呼びかけた。「中国青年報」が7日伝えた。

 宇宙時代が到来し、太陽系外惑星の、国家の安全保障や発展などに対する戦略的意義が益々高まってきている。NASAが進めていた「コンステレーション計画」がこの波を牽引、ロシア、ドイツ、日本、インドなどが相次ぎ月面上陸や火星探査計画を打ち出している。

 中国も嫦娥月探査計画を推進、宇宙探査方面の人材養成については、ただ単に地球に関する知識だけでなく、より多くの惑星に関する知識をもつ人が科学的指導を行い、技術者のために科学的目標を立てる必要があるとして、より高い要求を出した。

 こういった人材の養成は急を要するが、残念なことに国内の大学の地質学部で教えていることは基本的に地球に関することに限られ、太陽系の他の惑星に関連することは非常に少ない。西側先進国の大学には「地球と惑星科学」や「惑星比較学」といった学問が早くからあるが、国内の大学ではまだ手がつけられていないのが現状だという。

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