2010年09月06日-09月10日
トップ  > 科学技術ニュース>  2010年09月06日-09月10日 >  中国、480m相当圧の飽和潜水シミュレーションに成功

中国、480m相当圧の飽和潜水シミュレーションに成功

2010年09月08日

 6日午後3時30分、実験室から出た4人の潜水士らを、上海市委員会の兪正声書記、中国人民解放軍海軍の呉勝利司令員らが迎えた。この瞬間、飽和潜水シミュレーションのアジア水深記録が誕生した。ヘリオックスを使った480メートル相当圧の飽和潜水シミュレーションの成功により、中国は世界で9番目に水深400メートル以上の高圧環境下で作業を行う技術を把握した国となった。新華社が6日に伝えた。

 今回の実験は、海軍のある医学研究所で行われた。使用されたのは中国が自主設計・建設した500メートルの飽和潜水実験設備。核心技術として、中国が自主開発した飽和潜水加減圧プログラムが初めて使用された。これは、一定の割合のヘリオックス(ヘリウムと酸素の混合気体)を使用し、実験室内に段階的に圧力をかけることで、最終的に水深480メートルの環境にいるのと同じ状態を作り出し、長時間の作業を行うことができるというもの。

 今回の実験では、潜水士は水深480メートル相当の環境に49時間にわたって滞在した。医学的観察を行ったところ、4人の潜水士の生理的指標はどれも正常で、潜水シミュレーション実験は成功したと言える。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます