2010年09月20日-09月24日
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中国の宇宙育種、新品種60種類以上

2010年09月21日

 23年前、中国は初めて農作物の種子を宇宙へ送る実験に成功し、宇宙技術が農業科学研究を促進する新たな時代が開かれた。このほど北京で開かれた「2010年宇宙技術育種フォーラム」によると、今年5月までに中国で育てられ、国または省の審査を通過した新品種は60種類以上に達した。これらの新品種は大規模に農業生産され、農作物の増産、農産品の品質改善、農作物の抵抗力を高めるなど実質的な成果をあげている。宇宙技術を応用した育種の産業化の糸口が見つかった。 20日付けで「科技日報」が伝えた。

 中国は1987年8月5日、中国宇宙技術研究院が開発した9基目の科学実験用の回収式衛星衛星を利用して、農作物の種子を初めて宇宙へ送り込むことに成功した。その後20年間、回収式衛星と有人宇宙船を利用して何度も作物の種子と微生物の菌種を載せ実験を行ってきた。2006年9月9日、中国初の変異誘発を主要任務とする回収式衛星「実践8号」が、208.8キロの農作物の種子と生物実験材料を載せて打ち上げられた。同衛星は15日間の宇宙飛行を経て帰還し、農業科学者に多くの実験材料を持ち帰った。これまでに回収式衛星15基と神舟宇宙船7基に千種類以上の作物の種子や苗、生物の菌種、材料が搭載され、変異による新品種を数多く生み出している。

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