2010年10月11日-10月15日
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宇宙と地上が一体となった天文観測ネットワーク建設へ

2010年10月18日

 中国科学院国家天文台の趙剛・研究員(中国天文学会理事長)が伝えたところによると、中国は2020年までに、地上から宇宙、内陸部から南極ドームまでをカバーする、「宇宙と地上が一体」となった天文観測ネットワークを建設する計画だ。「新華網」が16日に伝えた。

 趙研究員は貴陽で14日に終了した「中国科学院2010年度国際科学技術協力業務シンポジウム」において、2020年に向けた天文発展計画について、以下のように述べた。

 中国の天文学は、発展に向けたニーズも発展の余地も大きい。計画をしっかりと行い飛躍的な発展を実現するべきだ。現在、中国は世界最大となる直径500メートルの電波望遠鏡(FAST)を建設しているほか、30m望遠鏡(TMT)計画にも積極的に参加している。また、南極には「中国南極天文台」の建設を、南半球には南天LAMOST望遠鏡の建設を計画している。中でも、貴州省平塘県に設置される予定の500メートル電波望遠鏡は、年内に起工する予定だ。このほか、国家天文台は貴州電波天文台の建設に向けた申請を行うことを計画している。

 また、中国航空工業の技術的メリットと、衛星搭載機器開発の基礎を活かして、2020年までに初となる中国独自の宇宙天文衛星打ち上げを実現するほか、地上から宇宙、内陸部から南極ドームまでをカバーする、「宇宙と地上が一体」となった天文観測ネットワークを建設し、先端科学研究の総合能力を大幅に高め、天文学の先端分野において重要な国際影響力を形成していく。

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