2010年10月18日-10月22日
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初代衛星追跡艦「遠望1号」が引退

2010年10月25日

 中国衛星海上測控部はこのほど、初代遠望型衛星追跡艦「遠望1号」が32年にわたる衛星追跡任務を終え、引退したことを明らかにした。22日、遠望1号が誕生した上海江南長興造船集団が愛国教育の場として一般開放された。24日付「中国網」が伝えた。

 遠望1号は中国が独自に設計・建造を手掛けた第一代総合衛星追跡艦で、1978年に中国衛星海上控部に引き渡され、中国の遠洋における衛星追跡事業が幕を開けた。1980年5月、遠望1号は艦船17隻と共に海洋遠征に向け最初の汽笛を鳴らした。南太平洋で初の長距離ロケットが飛んでくるのを待ち構え、素早く、的確にターゲットを捕獲し、データ器の引揚げを行った。これは中国の衛星追跡が陸地から海洋に移った歴史的な瞬間だった。

 この32年間、遠望1号は海洋遠征44回、2600日以上にわたり44万海里を安全に航行。長距離ロケット、気象衛星、有人宇宙船など57回の国家的な科学実験任務に加わり、中国の宇宙開発事業の発展に重要な貢献を果たした。

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