2010年11月22日-11月26日
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アワのゲノム地図が完成へ

2010年11月22日

 アワのゲノム(全遺伝情報)地図がまもなく、中国人科学者の手によって完成する。高密度なアワの遺伝地図を作成することにより、アワの遺伝子資源を幅広く掘り起こし知的財産権を取得するとともに、優良な新品種が育成される。21日付の「科技日報」が伝えた。

 深セン華大基因研究院と河北省張家口市農業科学院は15日、アワ事業戦略協力協議を結んだ。この事業では、深セン華大遺伝子研究院のゲノミクス方面における研究力と、張家口農業科学院の豊富なアワの遺伝子株が生かされる。アワの耐乾性、節水、増産など生理的メカニズムを解明する重要な根拠を提供するほか、育種の正確な方向性を見出し、アワの研究と産業における新たな革命を起こすものと期待されている。

 アワは中国で生まれた、最古の、優れた作物だ。生育期間が短く、適応性が強く、乾燥ややせた土地でもよく育つ。世界で気候変動や耕地の減少、水不足が深刻化しており、バランスの取れた食事に注目が集まるなか、アワの優れた品種と関連産業を育成し大々的に普及していくことは、土地の利用率向上や灌漑用水の節約、穀物の増産、食生活の改善、人々の健康につながる。

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