南京航空航天大学の李培寧さんらが設計した、ハリー・ポッターに出てくる「透明マント」が世界的な光学専門誌「OPTICS EXPRESS」で発表された。雑誌の審査員は「これまでにない重要な成果だ」と評価する。27日付「中国新聞網」が伝えた。
透明マントを発明したのは同理学院で光学を専攻する院生3人。その原理は、物体を特殊な強誘電体材料で包むと、光が通過する際に波長が変化しないため物体が「透明」になり、人間の目には見えないというもの。
実際にこうした物理的原理を利用してすでに多くの透明マントが発明されているが、光線の波長の違いから、これまでの発明はいずれも特定の波長でしか作用しなかった。しかし今回の透明マントは光線の波長を調節することでさまざまな波長の光線に自由に対応できるようになった。この新たな発想によって透明マントが今後広く活用される可能性が出てきた。
今後の見通しとして、新たなミクロ構造機能をもつ素材の発明・応用とともに、軍事作戦における使用が考えられるほか、通信分野でも、アンテナをこの特殊な素材で包んで通信回線を拡大することで電波強度を高めるなど幅広い応用が可能となる。