2010年12月13日-12月17日
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広東で「石の花」発見 数万年かけて生成

2010年12月17日

広東省清遠市清新県の金竜洞でこのほど、作業員が花の形をした珍しい現象「石の花」を発見した。同市の山間地区では、枯水期に突入して以来、泉源が徐々に枯渇していたが、金竜洞は引き続き80%を超える湿度を保ち、石の花にとって密閉された適切な環境となっていた。この石の花は数万年に及ぶ気候の移り変わりを経て生成されたもので、今なおゆっくりと生成を続けており、独特の風格を備えた自然の芸術作品といえる。「広州日報」が16日伝えた。

中国洞窟協会の専門家によると、洞窟にある「雪の花」を地質学的に石の花と呼ぶ。石の花の生成条件は非常に過酷なもので、溶洞壁あるいは鍾乳石からしみ出したごくわずかな水と水の膜の中で炭酸カルシウムがゆっくり凝固して結晶体となり、石の花となる。数百年かけて1ミリメートルしか生成されないこともあるという。石の花はよくみられる方解石(カルサイト)と同じく炭酸カルシウムを化学的成分とし、方解石の同質の非晶体であり、比重と硬度では方解石をやや上回る。

石の花は中国国内でも世界でも、これまでごく少数の洞窟の中でしか発見されていない。生成には数万年の時間がかかり、面積が大きくなることはない。

今回石の花が発見された金竜洞の溶洞には約1万年の歴史があると推測される。前出の専門家によると、石の花は古代の気候や水文(水の様子)の研究にとって極めて価値のあるものだという。

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