2010年12月13日-12月17日
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嫦娥2号、21日の月食で零下100度に耐えられるか

2010年12月17日

  皆既月食が起きる今月21日、月を周回している月探査衛星「嫦娥2号」は暗黒、極寒、供給電力の減少に耐えられるかが試される。宇宙開発の専門家によれば、月食による嫦娥2号への影響は少なく、地上管制システムとの無線通信が途切れることがないという。新華社のウェブサイト「新華網」が16日伝えた。

  嫦娥2号は太陽電池パドルを利用して太陽光を電力に変換し活動している。衛星には充電式電池が搭載されているが、長時間正常な活動を維持することはできない。

  中国航天科工集団公司の研究員で宇宙開発技術に詳しい尹懐勤氏によると、月食が起きると、地球の影に遮断され、月全体やその周辺の空間に太陽光が当たらなくなり、嫦娥2号にも太陽光が届かなくなる。このため気温が下がり、最低気温が零下100度以上に達し、衛星設備は極寒に晒される。電力が不足しないよう一部の探査装置を一時停止し、電力の消耗を最低限抑えるため、月食で日陰に隠れても人工衛星の正常な運行に影響はないという。

  すでに嫦娥1号が無事に月食をやり過ごした経験があることから、2号も難なくこれに対応できると専門家はみる。

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