2011年02月07日-02月11日
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内蒙古西部の炭田が中国最大の「ボーキサイト鉱山」に

2011年02月09日

石炭灰(フライアッシュ)からアルミナを回収する技術の産業化が加速するに伴い、内蒙古自治区西部の炭田が中国最大のアルミ資源埋蔵量を誇る「ボーキサイト鉱山」となる可能性がでてきた。関係者によると、フライアッシュからアルミナを回収することができれば、その量は中国が現在輸入しているボーキサイトとアルミナの量にほぼ匹敵するという。新華網が8日に伝えた。

 内蒙古自治区発展改革委員会が提供するデータによると、内蒙古西部の准格爾炭田などではアルミナを含む石炭資源が豊富で、原料炭中のアルミナ含有量は約10%、燃焼後のフライアッシュ中のアルミナ含有量は40-51%に達する。石炭・アルミが共生する鉱床の資源量500億トンから計算すると、フライアッシュの潜在的な埋蔵量は約150億トンに達する。この量は中国が保有するボーキサイト鉱山の埋蔵量の8倍以上に匹敵し、アルミ資源の重要な予備基地となることが見込まれる。

 フライアッシュからアルミナを回収する技術は近年、科学研究機関や資源開発企業などから幅広く注目を集めている。現在、大唐国際と清華大学が開発したアルミナ回収技術はすでに工業化の段階に進んでいるほか、内蒙古では年間20万トンのアルミナ回収プロジェクトもスタート、同技術の実行可能性が実証されている。

 資料によると、内蒙古の石炭生産能力は年間約1億トンに達する。もし現地でアルミナの回収を行えば、フライアッシュからアルミナ約1200万トンが生産できることになる。

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