2011年02月07日-02月11日
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青蔵高原の氷河、年平均131平方キロ減少

2011年02月09日

中国地質調査局が行った青蔵高原(青海・チベット高原)の生態地質環境に関する遠隔調査と観測により、青蔵高原の氷河は過去30年間、年平均131.4平方キロメートルのスピードで縮小しており、さらにここ数年は縮小のペースが加速していることがわかった。中国網が9日に伝えた。

 同調査は、リモートセンシング技術を利用して青蔵高原の氷河や雪線(万年雪の境界線)、湖、湿地などの変化を長年にわたって観測したもの。それによるとここ30年間、青蔵高原の氷河は全体的に減少しており、とくに高原周辺の氷河減少は最も著しく、面積が10%減少していた。また、高原中腹部でも氷河面積が約5%減少していた。

 過去30年間、青蔵高原の氷河は年平均131.4平方キロメートルのスピードで縮小しており、さらにここ数年は縮小のペースが加速している。雪線は平均で100潤オ150m後退、最大では350mもの後退が見られる。高原中腹部では湖や湿地が大きく拡大、もしくは新たな湖・湿地が発生しているが、高原周辺では湖や湿地が減少、あるいは完全に消失してしまったケースも見られる。湿地の総面積は現在8万8715.5平方キロメートルで、総面積は8731.6平方キロ減少、10%近く減少したことになる。

 世界の温暖化加速を考慮しない場合、2050年には氷河面積は現在の72%程度にまで、2090年には50%にまで減少すると見られている。

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