2011年02月07日-02月11日
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中国 約2500平方キロのレアアース国家計画鉱区を設立

2011年02月11日

 レアアース鉱山の持続可能な利用を実現し、生態環境を保護するため、国土資源部はこのほど、国内初となるレアアース国家計画鉱区を設立することを決定した。新華網が10日に伝えた。

 国土資源部が明らかにしたところによると、今回確定された江西省コウ州のレアアース国家計画鉱区は、探査区、採掘区及び将来性のある鉱床区など11カ所が含まれ、総面積は2500平方キロにのぼる。レアアースの埋蔵量は約76万トン(うち、中・重希土類の埋蔵量は71万トン)と予想されており、埋蔵量が全て明らかになれば、中国の中・重希土類の確認埋蔵量は今よりも80%増加する見込み。国土資源部はまた、四川省攀西地区にも鉄鉱国家計画鉱区を設立した。同鉱区には攀枝花鉱区・白馬鉱区の2カ所が含まれ、面積は460平方キロメートルにのぼる。

 国土資源部鉱物開発管理司の責任者は10日、インタビューに答え、「レアアースは中国の重要な鉱物資源であり、保護性採掘を実施する特定鉱物の一つだ。現在、中国におけるレアアースの埋蔵量は世界の約3分の1でしかないにもかかわらず、供給量は世界の90%以上を占めている。これでは明らかに持続可能性がない。レアアースの広範囲な採掘により、山林伐採、泥土の露出、土壌浸食などがもたらされており、大規模な土壌浸食により耕地が破壊されている。また、レアアース採掘後の排出物は深刻な環境破壊をもたらす。レアアース国家計画鉱区の設立は、枯渇しつつあるレアアース資源を守り、持続可能な利用を実現するために必要な措置であり、また生態環境保護のためにも必要だ」と述べたほか、「国家計画鉱区設立の主な目的は、レアアースや鉄鉱など重要鉱物の将来性のある鉱床区を国家計画鉱区に組み込んで探査・採掘計画を制定し、中央地質探査基金もしくは省レベルの財政特別資金を通じて事前調査、全面調査、詳細調査などを行い、資源量をしっかりと見極めることだ。鉱業権設置法案の制定については、経済建設と市場のニーズに照らし、規則に従って鉱業権を賦与し、適切な探査・開発を段階的に実施し、レアアース開発の度合いを制御し、資源利用効率を高め、生態環境を保護し、資源のマクロ調整能力を向上し、国家重要戦略鉱物資源の持続可能な開発利用を促進していく」と述べた。

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