2011年02月14日-02月18日
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科学者が宇宙人探索用の標準文字設計を提案 (2)

2011年02月14日

人類が送信した初めての情報は1974年のアレシボ(Arecibo)の情報で、目的地は2.5万光年先の球状星団だった。アレシボの情報には解像度の低い人類の写真、1から10までの数字、及びこの情報の送信に用いられた望遠鏡の写真が含まれている。フランスの国際宇宙大学の天体生物学者は「本質的に言って、こうした情報には実際の意義はあまりない。格好よいが、本当に正しい方向性の情報ではない」と述べている。

 その後の4組の情報は1999年と2003年のエフパトリアや2001年、2008年に行われている。これらの電波情報は地球から約20から69光年の間にあるより近い星に向けられたもので、こうした情報を受け取った宇宙人からの返事を受け取ることを人類は希望していた。これら情報は大衆が提案した古典的な音楽や写真、絵画が含まれ、普通の人々の感情的な価値を体現した情報だ。しかし眼や耳がないかもしれない宇宙人にとって、こうした情報は全く価値がないかもしれない。

 宇宙人が我々人類の情報をキャッチするチャンスを高めるために、米国ペンシルバニア州立大学の天文生物学者などは、人類は標準のプロトコルを設計し、「地球外知的生命体探査」で発信する情報を書くのに用いるべきだと提案している。「我々の論文は実際のところ団結と協力を呼びかけるもので、宇宙人にどのように情報を発信するかを共同で考えるものだ。現在、全ての情報はいずれも混乱している。もしより統一的な標準があれば、我々が成功するチャンスはより増加するだろう。」
 
 こうしたプロトコルは次のような要素を持つべきだと科学者たちは考えている。情報の長さ(最初は短くすべき)、情報のコード化方法(2進法が最適と思われる)、伝送方法(無線またはその他の方式)、情報の内容(数学、科学、人類の文化など)。最も基本的な構想は、情報が簡明であることだ。「我々は情報が人類中心ではなく、返答が最も容易に理解できるよう確保することを希望している。」

 この論文は第一歩にすぎない。科学者3人は各分野の科学者や哲学者を招いて専門委員会を設立し、このプロトコルを共同で構想、設計しようと努力している。いったんプロトコルが生まれれば、研究グループはウェブサイトを構築し、世界各地の研究者がこのプロトコルの情報を寄せ合い、相互に解析し、全ての人が提出した情報の内容を理解することがかを確認する考えだ。科学者達は今年夏にこのウェブサイトを構築し運用開始したいと希望している。

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