微細藻類エネルギー関連で中国初となる国家重点基礎研究発展計画（973計画）、「微細藻類エネルギー製造の大規模化に関する科学的基礎」プロジェクトが19日、浙江省嘉興市のハイテクシティで始まった。科技日報が21日伝えた。
このプロジェクトは華東理工大学、中国海洋大学、中国科学院水生生物研究所、江西新大澤実業集団有限公司などが共同で実施する。プロジェクトの委託部門は上海市科学技術委員会、委託機関は華東理工大学で、華東理工大学生物反応器工程国家重点実験室の李元広教授がこのプロジェクトの首席科学者。
現在、バイオディーゼルの製造に使われる原料はすべてシュロやナンヨウアブラギリ、アブラナなどの油料作物に頼っている。油料作物の単位面積当たり得られる油脂量はあまり多くないため、バイオディーゼルに力を入れるとすれば大量の耕地が必要となり、食糧の生産に影響が出る。一方、微細藻類の種類は多く、広い地域に分布しており、すぐに繁殖する、最も単純で最も古い下等植物だ。太陽光やCO2、N/Pなど簡単な栄養物質を直接利用して素早く生長し、胞内で大量で油脂（主に中性脂肪）を合成するため、バイオディーゼルの製造に新しい油脂資源を提供すると同時に、中国に広がる塩類化した荒地など耕地に向かない土地を利用してバイオディーゼルの開発に向けた新たな道を育むことができる。
計画では2015年までに、微細藻類エネルギー製造の大規模化に向けた重要な科学的問題を解決し、産業化技術のボトルネックを解消するための革新の源泉を見出す。