2011年03月01日-03月04日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年03月01日-03月04日 >  約2万年前の人類、すでに海南島へ移住

約2万年前の人類、すでに海南島へ移住

2011年03月02日

 中国科学院昆明動物研究所が明らかにしたところによると、海南島の黎族(リー族)のDNAサンプルから、海南島と広西の住民の遺伝関係は密接で、今から約7千年から2万7千年前に人類がすでに海南島に移住していたことが同研究所の張亜平教授の指導の下、大学院の彭旻晟さん、賀軍棟さん、劉海書怩ウんの研究でわかった。科学時報が1日伝えた。

 今から約2万年前の最終氷河期最盛期、覆われた氷の体積が広がるに従い、海面が下がった。この状況は最終氷河期最盛期が終わると気候温暖化により逆転する。つまり氷が融け、海面が上昇した。大陸部沿海や海に浮かぶ島は海面上昇により海と陸の変化が生じた。この過程はこれらの地域の住民の移動に重要な影響を与えた。東アジアでは、海南島と大陸との連結と分離は最終氷河期最盛期以降の海と陸の変化の例証となっている。

 現在の海南島の住民の遺伝構造に何かその形跡がないか調べるため、張教授らはリー族の3つの村で285のミトコンドリアDNAを採取し、その遺伝的多様性を分析した。これまでに発表されたデータと重ねた結果、海南島と広西の住民の遺伝関係がわりと密接で、大陸からの移民の海南島住民への貢献が大きいことがわかった。

 同研究は国際的な英オンライン学術誌「BMCエボリューショナリー・バイオロジー」で発表された。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます