10日4時47分、中国は8基目となるナビ衛星「北斗」の打ち上げに成功した。これにより、衛星測位システム「北斗」の地域測位システムは基本システムが完成し、全地球測位システムの構築に向けた新たな段階に入った。人民日報海外版が12日に伝えた。
▽「三段階」で全地球測位システムを構築へ
中国が自主開発、独自運行する衛星測位システム「北斗」の建設は現在、三段階に分けて進められている。第一段階の目標である、試験システムは、2003年にすでに完成している。第二段階では、2012年をめどに10基あまりの衛星からなる地域測位システムを完成させ、アジア太平洋地域にサービスを提供する。第三段階では、2020年をめどに30基あまりの衛星からなる全地球測位システムを完成させる。システムの性能は同時期における世界先進レベルを目指す。
▽中国製の「チップ」で優れた機能を実現
衛星測位システム「北斗」は、2020年までに衛星30基あまりの打ち上げが完了する。全地球測位システムが完成すれば、自動車、漁船などに対応するチップを設置するだけで、「北斗」のナビゲーション・ポジショニングサービスが使えるようになる。2010年9月、中国は世界初となる複数の衛星システムに対応するチップを開発した。ポジショニングの原理はGPSと似ているが、「北斗」特有のショートメールサービスにも対応しており、機能的にはGPSを上回る。専門家は、「国産チップは1年から2年以内に、性能面で国外チップに対抗できるようになるだろう。さらに技術改良・コスト削減を通じて、2年から3年以内には価格と性能の両面で国外チップに対抗できるようになるだろう」との見方を示す。