2011年05月09日-05月13日
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河南省で中国最古、前漢の美酒が出土

2011年05月11日

 このたび河南省濮陽の前漢中前期の墓から出土した副葬品の壺に500グラム余りの液体が残されていた。分析を重ねた結果、これまで中国で確認された最古の酒であることがわかった。「大河網」が11日付で伝えた。

 壺からは約6時間かけて計30ミリリットルの液体が抽出された。中国科学院北京質量スペクトルセンターの専門家が液体を分析した結果、酒の一種であることがわかった。アルコール濃度などはさらに分析が必要。酒を醸造するには成分だけでなく具体的な生産工程も知る必要がある。中国食品発酵工業研究院の胡国棟氏は「生産工程は化学分析からはわからないため、私たちが古酒を完全に再現することは不可能だ。この美酒はその主人に残しておくほかない」と言う。

 秦漢時代に濮陽は東郡(全国13郡)に属し、郡府は高城(現在の濮陽県南)にあった。当時濮陽は農業、手工業、商業がかなり発達、繁栄し、物資や水に恵まれていた。酒造にも厚い歴史的背景があるのだ。

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