2011年05月23日-05月27日
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中国、巨大水力発電機の設計・製造能力で世界の先頭に

2011年05月25日

世界最大・長江三峡ダムプロジェクトの地下発電所の最初の発電機が24日午前10時半から商業運用に入った。完全に中国が設計・製造したこの70万キロワット水力タービン発電機は8階建ての建物ほどの高さがあり、世界最大の水力発電機だ。10万世帯の1日分の電気を1時間で発電することができ、三峡ダムの「中国芯」(中国が開発したCPU)と呼ばれている。「中国新聞網」が25日付で伝えた。

 中国長江三峡集団公司機電工程局の劉楽文処長は「三峡地下発電所の70万キロワット発電機は完全国産で、多くの部品が海外製品より優れている。世界初の空気・蒸発冷却技術は完全に独自の知的財産権を持つ。大型水力発電機の国産化という目標が真に実現したということだ」と誇らしげに語る。

 三峡地下発電所は三峡ダム右岸山内にあり、70万キロワット水力タービン発電機6機を設置。この6機を設置することで水力エネルギー利用率が大幅に高まると専門家は指摘する。設計では三峡ダムの発電機26機を稼働させるには毎秒2.5万立方メートルの入水量が必要。増水期には余った水は無駄に流れてしまっていたが、地下発電機の稼働によって利用水量を毎秒3.1万立方メートルにまで増やせる。

 地下発電所によって(1)発電量の増加(2)増水期の調整放水の減少(3)調整容量の増大(4)地下発電所とダム発電所の統合運用。ダム側発電機の検査・修理時には地下発電機を稼働し、ダムの正常な運行を確保??が可能になる。

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