2011年05月23日-05月27日
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トキ、秦嶺山脈を越え初めて北麓で巣作り

2011年05月25日

最新の野外モニタリングにより、秦嶺山脈の南麓に生息する絶滅危惧種・トキが秦嶺山脈を越え、初めて北麓に巣を作ったことがわかった。「人民日報」海外版が25日に伝えた。

 トキは沼地や水辺に生息する絶滅危惧種の野鳥で、主に水田に住み、ドジョウや魚介類を食べる。一度は絶滅したと思われていたトキだが、1981年、秦嶺山脈南麓の陝西省洋県で再び発見され、ここがトキの生活に最も適した地域だと見なされた。2005年には、同県に陝西漢中トキ国家級自然保護区を建設することが認可された。

 その後、30年間にわたるトキの保護と人工繁殖、野生化訓練により、野生のトキの数は約1000羽に達し、活動範囲も拡大を続けている。過去、トキの生息には向かない場所だと考えられてきた秦嶺山脈北麓の太白県でも、少し前にトキのつがいが発見されている。

 秦嶺山脈は中国中部を東西に走る山脈で、地理的に中国南北を分ける重要な境界線だ。主に陝西省南部と四川省北部の境に位置し、全長は約1500キロにのぼる。 

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