2011年05月30日-05月31日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年05月30日-05月31日 >  京滬高速鉄道 時速400キロで走行中も揺れはわずか

京滬高速鉄道 時速400キロで走行中も揺れはわずか

2011年05月30日

 高速鉄道車両「CRH380A」は、中国南車四方股フェン公司が日本川崎新幹線の技術を導入後、自主開発により製造したもので、国産化率は90%以上に達している。2010年8月、滬杭(上海-杭州)高速鉄道で初めて投入された。

 北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道は現在、1カ月間の試運転を行っており、6月末に開通予定。京滬高速鉄道には、「CRH380A」のほか、中国北車が製造した「CRH380B」が投入される予定だ。新京報が29日に伝えた。

 ▽防振--時速400キロで走行中も揺れはわずか

 防振効果は列車の乗り心地を測る基準となる。列車が安定した走行をする上で肝心なのは台車だ。CRH380Aの台車開発を担当した馬利軍氏によると、台車は人でいうと足のようなもので、動力車の台車と、付随車の台車の2種類に分けられる。高速列車の安全かつ安定した快適な走行は、台車の性能によって決まる。「CRH380A」は16両編成であり、14両の動力車と、2両の付随車(先頭・最後尾)で構成されている。

 線路はまっすぐ伸びているように見えるが、実際は完全にまっすぐではなく、歪曲しているため、列車は走行中に「蛇行」する。「CRH380A」の開発においては、この「蛇行」時の安定性を解決した。同列車は、時速400キロで走行中もテーブルに置いた卵が転がらず、時速350キロで走行中も、立てて置いたタバコが倒れないほどの安定性を誇る。

 ▽防音--騒音は飛行機や車よりも低い61デシベル

 スピードが上がるにつれ、列車の騒音も高まる。研究者は騒音源、伝播経路を把握し、遮音設計の原理に基づき、周波数制御を通じて騒音を解決した。「CRH380A」では、騒音の種類と伝播経路に基づき、「遮音、縮小、吸収、減少」の4つの方法を用いて騒音に対応し、時速300キロで走行中の騒音を61デシベルに抑えた。ちなみに飛行中の旅客機内の騒音は81デシベル、時速120キロで走行中の自動車内の騒音は76デシベルとなっている。また、場所ごとに異なる床構造を採用しており、騒音の大きい部分には遮音床が設置されているほか、遮音床の表面にはさらにアルミ板と鉄板が設置されている。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます