2011年06月06日-06月10日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年06月06日-06月10日 >  対ブラジル輸出のEMUがラインオフ 国内初

対ブラジル輸出のEMUがラインオフ 国内初

2011年06月08日

 中国がブラジル・リオデジャネイロ市向けに初めて研究開発した動力分散式電動客車編成(EMU)が7日、中国北車長春軌道客車株式有限公司でラインオフした。「メードインチャイナ」のEMUが南米市場に進出するのは今回が初めてのケースであり、このことは同公司の海外戦略の新たな実践成功例の一つでもある。

 今回輸出されるEMUはA型のステンレス車両で4両編成、最高時速は100キロメートルに達する。中国で初めて米国のアメリカ鉄道協会(AAR)の基準を採用して設計され、車体は40年間運行し、乗客を積載しても、金属疲労を起こさないように疲労強度設計がなされている。垂直方向への圧縮荷重は363トンで、これは国内の都市鉄道の設計基準の4倍、欧州の都市鉄道の設計基準の2.5倍にそれぞれ相当する。今回、車体の鋼構造体の研究開発に成功したことにより、同公司の製品ラインナップが豊富になっただけでなく、国内鉄道車両市場の空白部分が埋められることになった。

 同EMUの車両には無塗装のステンレス車両が採用され、先端の交流機駆動システム、補助電源システム、列車コントロールシステムが採用されているほか、各車両には緊急避難用のドア、特殊な騒音軽減措置、緊急用の通風システムが設置されている。これらを通じて列車の安全性能が高まると同時に、乗客はより快適な電車空間を楽しめることになった。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます