2011年06月13日-06月17日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年06月13日-06月17日 >  中国最大の科学装置「上海光源」、稼動から2年で多くの成果

中国最大の科学装置「上海光源」、稼動から2年で多くの成果

2011年06月16日

 中国科学院上海応用物理研究所がこのほど明らかにしたところによると、中国最大の科学プロジェクト「上海光源」は、稼動開始から2年間で利用者がのべ数千人を超え、多分野にわたる研究により多くの成果が得られている。「上海光源」の2期プロジェクトはすでに国家重大科学技術基礎施設「第12次五カ年計画」発展計画に組み込まれており、世界一流の科学研究基地を目指していく。中国青年報が16日に伝えた。

 今年5月末の時点で、上海光源のビームライン7本の利用時間は累計5万2720時間に達し、専門家の審査に合格した課題の申請は計1474件に上った。課題のテーマは生命科学、材料科学、凝縮系物理学、化学、環境・地球科学、高分子科学、医学・薬学、地質考古学、情報科学など多岐にわたる。

 「上海光源」の利用者による論文数は172本にのぼり、「ネイチャー」、「サイエンス」、「セル」など、世界最高峰の学術雑誌にも7本が掲載され、世界的に重要な影響を及ぼした。また、製薬、化学工業、技術鑑定などの分野で多くの企業が「上海光源」を利用した技術開発を行っている。

 「上海光源」は第3世代の中エネルギーシンクロトロン放射光源で、投資総額は14億元。その機能から、「スーパーX線」、「スーパー顕微鏡」などとも呼ばれる。2004年末に起工し、2009年5月に稼動が始まった。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます