2011年07月25日-07月29日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年07月25日-07月29日 >  無人車が順調に長沙から武漢まで走行

無人車が順調に長沙から武漢まで走行

2011年07月26日

 国防科技大学が先ごろ明かにしたところによると、国防科技大学が独自開発した紅旗HQ3無人車が14日に初めて、長沙から武漢までの286キロの全過程の高速無人走行実験を完了し、中国が独自開発した無人車が複雑な交通状況の下での独自走行を実現した。複雑な環境での識別やインテリジェントな判断、制御といった面で中国の無人車が新たな技術的飛躍を実現し、世界の先進的水準に到達したことを表すものだ。

 286キロの走行中、無人車はどんな状況に直面したのか。その技はどんなものなのか。国防科技大の「独自走行技術」革新チームの賀漢根教授、戴斌教授に取材した。

 今回の「冒険」について戴斌教授は興奮した様子で次のように語った。「長沙から武漢までの無人走行は、我々が請負った国家自然科学基金重点プロジェクト契約の中期目標で、我々はこの目標を前倒しで実現した。」無人走行実験は日中に完了され、同日9時過ぎに京珠高速道路の長沙楊梓冲料金所を出発、286キロの道程を3時間22分で走行した。「アクセルやブレーキ、方向転換、車線変更、追越などは全てコンピュータシステムが制御した。我々はシステムに最高時速110キロと設定しただけで、どう操縦し、どういったスピードにするかは全てコンピュータが制御し、車内の人間は全て乗客だった。」

 「同日は複雑な天候の状況下で、一部の道路には霧も発生し、咸寧では突然の降雨となった。」戴斌教授によると、無人車は複雑な交通状況やはっきりしない路面の車線といった実際の考証を経た。「車にはGPSなどのナビゲーション設備はなく、完全に自らの環境センサーを頼りに道路の線を識別し、また車載のインテリジェントシステムをより所に判断とシステム制御を行い、高速道路の密集した車の流れに正常に合流して自主的に走行した。」今回の実験で無人車は独自に67回追い越しを行い、他の車線を走行中の車116台の追い越しに成功、他の車に148回追い越され、自主走行の平均時速は87キロを実測した。

 無人走行技術の発展における現段階の主な目的は、公道を走る無人車を生み出すことではなく、関連技術の開発と応用を通じて運転手の労働の負担を軽減して車の自主的な安全性を向上させることだという。例えば能動的な安全システムの衝突防止やスリップ防止、自動駐車などはいずれも無人走行技術の基盤を必要とする。多くの国で無人車の開発は大きな進展を見せ、国際的な有名ブランドのハイエンド乗用車は徐々に自動安全関連のシステムを搭載している。今回チームは第一汽車集団公司と関連分野の協力研究と製品開発を行っており、無人走行技術の開発の転化を通じて有人走行をより安全にすることをめざしている。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます