2011年08月01日-08月05日
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中国の有人潜水艇「蛟龍号」、帰航の途に

2011年08月05日

 中国の有人深海潜水艇「蛟龍号」を載せた母艦「向陽紅09」がこのほど、海洋試験の全ての任務を無事終えて帰航の途に就いた。来月17日から18日の間に江蘇省江陰市の蘇南国際ふ頭に到着する予定。中国共産党の機関紙、人民日報が5日付で伝えた。 >>【特別企画】「蛟龍号」 5000メートル級の潜行実験全記録
 
 「蛟龍号」の5千メートル潜行試験は計5回行われた。潜行深度はそれぞれ4027メートル、5057メートル、5188メートル、5180メートル。この間、映像資料と海底近くでの微地形測量データを収集し、深海での潜水艇の機能指標や作業性能を確認した。
 
 期間中、「蛟龍号」は中国大洋協会の多金属団塊探査契約区に位置するE2試験海域で3回目の潜行試験を実施。最大の潜行深度は5188メートル。海底での作業時間は3時間半に及んだ。海底画像・映像、地形測量、サンプル採取などの作業を行ったほか、海底近くの精密な地形データを収集した。中国大洋協会探査契約区のE1試験海域に到着すると、4回目、5回目の潜行試験を実施した。生物、微生物、堆積物、多金属団塊のサンプル採取を行い、海底での標識物の設置に2回成功。これにより、「蛟龍号」の深海での作業性能と安定性がさらに実証された。
 
 「蛟龍号」は運用が始まれば、大洋協会の多金属硫化物探査契約区における科学調査や資源環境調査の展開に重要な役割を果たすと期待されている。

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