2011年08月08日-08月12日
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中国、世界一の造船大国に

2011年08月10日

 新華社と中央テレビ局の総合報道によると、2002年8月31日、大連船舶重工がイラン国営タンカー会社(NITC)から受注した5隻の大型原油タンカー(VLCC)うち、1隻目の「IRAN・DELVAR」が納入された。

 VLCCはvery large crude oil carrierの略であり、30万積載トン規模のVLCCは、現在世界最大の石油タンカーだ。その設計・建造技術はこれまで日本や韓国などの造船先進国に独占されてきた。

 大連船舶重工集団の于逢平総経理は「これまでにVLCCを58隻建造し、1隻のVLCC建造にかかる時間は10カ月にまで短縮した」と語る。

 中国の船舶業はすでに世界の造船業をリードしつつある。昨年、中国の造船完成量、新規受注量、手持ち受注量の3大指標が韓国を追い抜き、中国は世界一の造船大国となった。中国は今年も引き続き海洋工学分野、ハイテク船舶などの分野で発展を速めていく計画だ。

 中国が自主開発した3000メートル級の深海半潜水型海洋掘削装置「海洋石油981」号は現在、動力システム、掘削システムなどの全面的なテストを行っており、10月1日までに正式に使用が開始される。これにより、中国の深海石油探査は3000メートル以下の深海区に拡大する。同装置は設計・建造の難度の高さから、海洋工学分野における「空母」と呼ばれている。

 中国の造船完成量は、2005年に1000万トン突破し、その2年後には2000万トンを突破した。2007年から2009年にかけては、毎年1000万トンのスピードで急成長し、2010年には2000万トン増加した。第11次五カ年計画期間中、中国の造船完成量は年平均43%のスピードで急成長した。

 1956年、日本が英国を抜いて世界一の造船大国となり、世界の造船の中心は欧州から東アジアに移り始めた。1970年代、韓国の造船業が台頭し始め、2003年に世界一の座に着いた。中国は2008年に日本、2010年には韓国を追い抜き、世界一の造船大国となった。

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