2011年08月22日-08月26日
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「天宮1号」の消費電力、わずかエアコン2台分

2011年08月22日

 中国の有人宇宙飛行という最先端分野においては、次世代の若い研究者が徐々に頭角を現してきている。現在、宇宙ステーション「天宮1号」や宇宙船「神舟8号」などの重大な打上げプロジェクトの第一線で活躍しているのはほとんどが30歳以下の大学生、大学院生、博士生たちだ。有人宇宙飛行事業に貢献する研究者は国内全体で十数万人規模に達し、うち1980年代生まれが8割以上を占める。銭江晩報が22日に伝えた。

 袁怒安氏は上海航天技術研究院科学者チームに所属する80年代生まれの技術者だ。同氏の所属するチームは、「天宮1号」への2年間の電力供給を担当している。袁氏によると、「天宮1号」は宇宙空間で、24時間の間に16回の昼夜を繰り返す。それぞれ昼が約30分間、夜が約60分間で、太陽に当たっている30分間は、天宮1号のソーラーパネルが発電を行う時間だという。

 ソーラーパネルで発電する際、電力の一部は天宮1号に直接供給されるが、一部は充電され、夜の間に使われる。袁氏は「24時間あたりの電力供給量は約数千ワットで、家庭用エアコンで換算するとわずか2台分です。天宮1号は発電するのに十分な日照を確保するため、太陽との角度を50-60度に保ちつつ、太陽と共に回転します」と語る。

 天宮1号は2つのパートから成り立っている。1つは資源モジュールで、全て設備からなり、もう1つは実験モジュールで、宇宙飛行士が生活し、働く場所だ。天宮1号ではニッケル水素電池を使用しているが、この電池も資源モジュール内にあるという。資源モジュールは自動車でいうとボンネットの内部に相当するが、宇宙空間ではその部分を開けて検査・メンテナンスすることはできない。このため、宇宙に滞在する2年間の間、電池には絶対に問題が発生してはならない。

 袁氏は「例えば、ロケット打上げ時の衝撃や振動、熱、真空状態、100度ほどに上る温度差など様々な状況が考えられます。我々は実験を幾度も繰り返さなければなりません」と語る。

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