2011年09月12日-09月16日
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中国の核廃棄物処理事業は加速の見込み

2011年09月14日

 フランス南部マルクールの核廃棄物処理施設で12日に爆発が起きたが、核事故ではなく工業上の事故であることが確認された。多くの関係者は「今回の事故による中国の原発推進政策への影響はない。だが核廃棄物の処理・処分問題が議題に上り、より重視されるようになることで、核廃棄物処理・処分事業の大規模化が推進される」と指摘する。今後10年で原発総容量を7000万キロワットまで増やすとの目標の下、中・低レベル放射性廃棄物処理事業の投資額は700億元に達し、高レベル放射性廃棄物処分場は一層大規模化すると見られる。中国証券報が14日付で伝えた。

 核廃棄物は中・低レベル放射性廃棄物と高レベル放射性廃棄物に分けられる。中・低レベル放射性廃棄物は一部が固体で、核廃棄物処理施設での特殊な除染作業を経て、原発での再利用が可能になる。その他は最小化の原則に基づき助拍トした後、セメント固化し、専門の処分場で処分する。高レベル放射性廃棄物は通常、使用済み核燃料と呼ばれており、一定規模の処分場を建設して密封保存する。

 中国国内の原発から生じる核廃棄物は当面、中・低レベル放射性廃棄物が中心で、量も多くない。2020年までに原発総容量を7000キロワットまで増やすとの目標に基づき計算すると、中国国内の核廃棄物量は3万8500立方メートルとなり、ドイツの現在の年平均10万立方メートルよりもずっと少ない。

 中国原子力産業協会の研究報告によると核廃棄物の処理費用は通常、原発の投資総額全体の5%。100万キロワット級原発1基の総投資額を1キロワットあたり2万元として計算すると、核廃棄物処理コストは1キロワットあたり1000元となる。2020年までに原発総容量を7000キロワットまで増やすとの目標に基づき計算すると、今後10年間の中・低レベル放射性廃棄物処理事業の投資額は700億元となる。

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