2011年09月19日-09月23日
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中国がベラルーシと通信衛星打ち上げ契約を締結

2011年09月20日

 中国とベラルーシは18日、ベラルーシの首都ミンスクで通信衛星関連の契約を締結した。ベラルーシの使用する通信衛星を中国航天科技集団が製造し、打ち上げる。新華社のウェブサイト「新華網」が18日付で伝えた。

 中国航天科技集団傘下の中国長城工業総公司の殷礼明総裁は契約締結について、「軌道上での衛星引き渡し業務の欧州市場への初の進出」と指摘する。中国側は通信衛星1基と地上応用システムをベラルーシに提供。衛星は中国航天科技集団傘下の中国空間技術研究院の開発した東方紅4号衛星を基に、40チャンネル中継器を搭載し、設計寿命は15年。

 殷氏によると衛星は契約発効から30カ月後に西昌衛星発射センターから中国航天科技集団公司傘下の中国運載火箭技術研究院の開発した長征3号B強化型ロケットで打ち上げられる。また、ミンスクに地上監視・制御ステーションを建設する。

 ベラルーシ初の通信衛星として主に同国および周辺地域のラジオ・テレビ放送、通信、遠隔教育、ブロードバンド・マルチメディアサービスに使用され、ベラルーシの国家インフラを改善し、国民の生活水準を高め、社会・経済発展に資する。

 殷氏は「このプロジェクトによって中国の国際的な宇宙関連貿易・サービスの産業チェーンが伸びた。中国側は通信衛星、打ち上げサービス、地上監視・制御システム、人材育成、周波数調整など宇宙と地上を統合したシステムソリューションを提供すると同時に、衛星の共同運用も行い、プロジェクト建設とシステム運営の統合的発展を実現する」と指摘する。

 外国との通信衛星の軌道上での引き渡し契約は今回が7件目。2007年以降、すでに中国はアジア、アフリカ、南米向けに軌道上での衛星引き渡しを3回実施している。

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