2011年09月19日-09月23日
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嫦娥1-3号の各ミッションを解説

2011年09月22日

 月応用科学の首席科学者、厳俊氏は21日、月探査衛星「嫦娥1号」、「嫦娥2号」、「嫦娥3号」が担う各ミッションについて詳しく説明した。中国国営の新華社通信(電子版)が伝えた。

 中国初の月探査衛星「嫦娥1号」のミッションは▽初の月科学探査を実施する▽月探査に必要な宇宙工学システムを初歩的に構築する▽月探査以降の後続計画に向けたノウハウを蓄積する--こと。
 
 嫦娥1号のバックアップ機を改良した「嫦娥2号」のミッションは▽月探査計画第2期プロジェクトの先導衛星として「嫦娥3号」のミッションに向けた技術テストを実施し、月探査能力を高める▽月科学探査を掘り下げ、探査精度を高める▽嫦娥3号の着陸予定地を対象とした高精度映像を作成し、以降の月探査計画を見据えた地ならしとノウハウ蓄積を行う--こと。
 
 「嫦娥3号」のミッションは、中国の探査機としては初の月面着陸(着陸探査機と巡視探査機の月面軟着陸)を実施し、月面で各種実験を行うことだ。
 
 嫦娥1号は2007年10月24日の打ち上げから494日間飛行し、うち482日間は月を周回。全ミッションを無事終了した後、2009年3月1日に予定通り月面に落下した。
 
 嫦娥2号はさらに頼もしい。計画寿命はわずか半年だったが、2010年10月1日の打ち上げ後、世界で最も完全な形で解像度7メートルの月面全体の画像を所得したほか、虹湾地区を対象とした解像度1.5メートル以下の画像の転送に成功。さらに開拓的な実験も成功させ、所期の目標を超過達成した。目視できない月の裏側で、主エンジンを用いて高度を下げ、自動制御システム、誘導・制御システムと主エンジンとの連携を確認した。
 
 現在、嫦娥2号は地球から約170万キロメートル離れた「太陽-地球ラグランジュ点(L2)」を周回している。搭載している太陽高エネルギー粒子計測器、太陽風イオン計測器などの機器は、まるで宇宙の神秘を探究する「宇宙の名探偵」のようだ。
 
 嫦娥3号は2013年に打ち上げられる予定。

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