2011年09月26日-09月30日
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中国の研究開発投資はGDPの1.76% 10年

2011年09月29日

 国家統計局、科学技術部、財政部は28日、「2010年全国科学技術経費投入統計公報」を発表した。それによると、2010年に投入された研究開発(R&D)経費は7062億6千万元で、前年比1260億5千万元(21.7%)増加した。研究開発経費の投入の強弱を表す対国内総生産(GDP)比は1.76%で、前年の1.70%を0.06ポイント上回ったが、第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)の目標値である2.2%を下回り、第11次五カ年計画(2006-10年、十一五)期間に達成できなかった目標値の2.0%にも届いていない。中国新聞網が伝えた。

 2010年に国家予算から支出された科学技術経費は4114億4千万元で、前年比889億5千万元(27.6%)増加した。これは同年の国の財政支出全体の4.58%を占める数字だ。

 産業別にみると、研究開発経費の主業務売上高に対する比率が最も高いのは設備製造業で2.04%に達した。同比率が1.5%から2%と高い水準にある産業は、医薬品製造業、汎用設備製造業、電気機械・器材製造業、計器・器械および文化的作業用機械・オフィス用機械製造業だ。

 地域別にみると、研究開発経費が300億元を超えたのは江蘇省、北京市、広東省、山東省、浙江省、上海市の6省市で、6省市を合わせた研究開発経費は全国の投入額全体の58.6%を占めた。一方、西蔵(チベット)自治区、海南省、青海省はいずれも10億元を下回った。

 ここ数年来、中国の研究開発経費投入が注目を浴びている。温家宝総理は年初に行った政府活動報告の中で、サービス業の生産額、就業率、研究・テスト発展経費の対GDP比はいずれも十一五の目標値を達成していないと率直に指摘した。

 中国人民政治協商会議全国委員会の李徳水委員の分析によると、2007年の世界の研究開発経費の対GDP比は平均2.2%で、米国は2.67%、日本は3.44%だった。中国の対GDP比はここ数年上昇してはいるものの、07年の世界平均にもまだ及ばず、中国の経済規模と釣り合っていない。

 あるアナリストによると、中国の研究開発経費の対GDP比が目標を達成できないことから、社会全体における科学技術投資が依然として十分でないことがうかがえる。「メードインチャイナ」(中国製造)から「クリエイトバイチャイナ」(中国創造)への道のりはまだまだ長く険しいとみられる。

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