2011年09月26日-09月30日
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「天宮1号」を紐解く(2) 船内の間取りは「2DK」

2011年09月30日

 有人宇宙船「神舟」が宇宙ステーション実験機「天宮1号」に接近する作業においては、人為的なコントロールは必要ない。「神舟」のドッキング・モジュールが自動的に「天宮1号」のドッキング・モジュールに接続した後、2機の接続部分はしっかりロックされ、1つの細長い宇宙ステーションとなり、2機のドッキング・モジュールは密封状態の連絡通路になる。

 ドッキング時に、「天宮1号」は受動的な立場となり、「神舟」が能動的に作業を進める。ドッキングが成功し、一体化すると、「天宮1号」のコントロール・システムがステーション全体の「頭脳」として制御機能を受け持つ。ステーション内の気圧が正常になり、全ての状態が整えば、乗組員は「神舟」のドアを開け、連絡通路に足を踏み出すことができる。宇宙空間は無重力であるため、乗組員はこの直径80センチほどの通路内を漂うように移動し、「天宮1号」の船内に入る。乗組員は、船内ではかさばる宇宙服を着る必要はなく、普段のブルーの作業着姿だ。

 「天宮1号」の内部は、長方体の形状をしている。活動スペース全体の広さは約15立方メートルで、長さは約4メートル、幅・高さはいずれも約2メートル。地球上では、広さ7-8平方メートルの住まいに相当する。この居住条件は、「神舟」に比べると格段に優れている。

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