2011年10月10日-10月14日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年10月10日-10月14日 >  放射線の正しい知識(1)地下鉄の手荷物検査は安全

放射線の正しい知識(1)地下鉄の手荷物検査は安全

2011年10月21日

 中国の地下鉄入口にはX線手荷物検査機が設置されている。乗客らはすでにこの検査機に慣れ親しんでおり、乗車前の手荷物検査はもはや常識となった。ところが最近、深セン、上海、北京など多くの都市で、地下鉄のX線検査機が放射線安全許可証を取得していないとの報道があり、人々はパニックに陥っている。科学時報が21日に伝えた。

 ▽1年間毎日使用しても放射線量は飛行機2時間分に相当

 国内の地下鉄手荷物検査機を手がける同方威視技股フェン有限公司の開発者によると、X線は可視光線よりも波長が短い電磁波の一種であり、固体・液体の透過能力が可視光線よりも強く、ある程度の厚さの鋼板までも通り抜けることができる。X線が物体を通り抜ける際、物体内部の様々な物質や、異なる密度・厚さの部分が、それぞれ異なる程度のX線を吸収する。密度が高く・厚さが太いほど吸収量が多く、逆だと吸収量が少ない。このため、物体を通り抜けた後のX線の強度には、物体内部の構造が反映される。

 地下鉄の手荷物検査機はラインスキャン方式を採用しており、物体は層ごとにX線放射を受ける。透過したX線シグナルは測定・処理された後、画像に再構成され、物体の内部情報を描き出す。

 もし1年間365日、毎日2回地下鉄で手荷物検査を受けたとしても、乗客が受ける放射線量は0.01mSv(10μSv)以下であり、自然放射線量では1.5日分、飛行機に乗った場合は2時間分の放射線量と等しいため、乗客に危害がもたらされることは無い。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます