2011年10月17日-10月21日
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中国、世界的なポリオ根絶に貢献

2011年10月24日

 10月24日は「世界ポリオデー」だ。ポリオは小児麻痺とも呼ばれ、天然痘に続き、世界的に根絶計画が進められており、2010年までに世界における発症例は1500例未満となった。しかし、今もなお世界4カ国で流行が見られている。人民日報が24日に伝えた。

 ポリオはポリオウイルスによって引き起こされる急性伝染病で、ウイルスは食べ物や水を通じて経口感染した後、腸内で繁殖し、感染者の便から排出されたウイルスも伝染源となる。ポリオには特効薬がないため、予防接種を打つことしかできない。子供のうちにポリオワクチンを数回注射することで、一生免疫を保つことができる。

 ビル&メリンダ・ゲイツ財団の中国代表・葉雷氏によると、今から23年前の1988年、世界ポリオ根絶計画が発足した。当時の発症数は世界125カ国・35万例以上だったが、WHOや各国政府、非政府組織などの努力により、2010年現在は、世界中でわずか1500例の患者発生に留まり、発生数は99%減少した。現在もなおナイジェリア、 アフガニスタン、インド、パキスタンの4カ国で流行が見られている。

 中国ではポリオ根絶に向け、弱毒生ポリオワクチンを開発したほか、全国的な予防接種を実施しており、その成果は著しい。中国本土での発症例は、1994年10月以降確認されておらず。2000年には中国におけるポリオ根絶がWHOにより証明された。

 葉雷氏は「中国はポリオの根絶に向けて貢献を果たしている。中国では現在、しっかりとしたポリオワクチンの接種・モニタリングシステムが確立されている。新疆での発症例モニタリングとそれに対する迅速な対応は、同システム運用の成功例だ。また、中国はポリオワクチンの生産能力を拡大し、ワクチンの質を向上させている。これは世界への安全なワクチン供給に役立つ。中国はこのほか、対外援助にも積極的に参加している。今年10月には、中国疾病予防コントロールセンターの研究員2人がWHOのポリオ感染予防プロジェクトの専門家としてアフリカのナミビア・ナイジェリアなどを訪れ、技術援助を行った」と述べる。

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