2011年10月17日-10月21日
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打ち上げ能力の大きなロケット「長征5号」は天津で開発

2011年10月28日

--宇宙計画の専門家、ネットユーザーの質問に回答

 ネットユーザー:中国は今、海南省に新しい発射基地を建設しています。海南は頻繁に台風の被害を受けますが、影響はないでしょうか?

 張厚英氏:現在、海南省文昌県に4つ目の発射基地を建設している。この発射基地は緯度が低く、また海に面しているなどの特徴がある。気候の影響は確かにあるが、機を見て打上げを行っていく。

 海南に発射基地を建設する理由は、将来的に宇宙ステーションや月探査衛星「嫦娥4号」を打ち上げる際、推力の大きなロケットが必要となるためだ。まもなく建造されるロケット「長征5号」の最大打ち上げ能力は25トンに達し、ロケットの直径は5メートルに達するが、現在我々が所有するロケットの直径は3.25メートルであり、既存の発射場には搬入することができない。「長征5号」の開発は現在天津行われているが、海南へは船で運ぶため、移動に問題は無い。

 ネットユーザー:米国は最近、77トン級のロケットを使用し、さらに144トン級の超巨大ロケットを開発中です。中国が現在所有するロケットの最大推力は?現在推力のもっと大きいロケットを開発中でしょうか?

 張厚英氏:米国が144トン級のロケットを所有するのは2017年ごろのことだ。米国の宇宙船は積載量が30トンに達する。中国のロケットのうち、積載量が最大なのは「長征2F-T1」で、8.6トンだ。2013年以降は積載量25トン級の「長征5号」により、宇宙ステーションや嫦娥の打上げを行っていく。

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