2011年10月24日-10月28日
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天宮1号と神舟8号:打上げ部門の4大対策(2)

2011年10月31日

 ■対策3--光通信による情報ハイウェイ

 地上制御部門は発射塔に設置された宇宙船が正常かどうかを確認する必要がある。宇宙飛行士が乗り込んだ後は、その体の状況を把握する必要がある。打ち上げ過程で事故が発生した場合は、速やかに避難指令を出す必要がある。これら全てを実現するのが共用光通信システムだ。

 この「情報ハイウェイ」を通じて、宇宙船と宇宙飛行士の情報を絶えず地上の観測制御ステーションと指揮制御センターに送り、その状態をリアルタイムでモニタリングし、打上げ待機段階の安全を確保することができる。

 ■対策4--高圧混合ガス供給車両の開発

 人が呼吸を止められない以上、宇宙船打上げ時の酸素供給システムも極めて高い要求を課せられる。今回のミッションでは新たな秘密兵器、高圧混合ガス供給車両を開発した。1つの車両に2種類のガスという設計プランを採用し、混合ガスの混合調整、高圧貯蔵、定圧供給などの機能を一体化したのみならず、酸素の高圧貯蔵、定圧供給機能も統合している。

 打上げ部門の張道昶副総指揮によると、高圧酸素の扱いは高い危険性を伴うため、車両の設計においても安全な新材料や製造技術を採用。さらに整った安全装置を配備し、宇宙船へのガス供給の安全性を確保している。「混合ガス中の酸素濃度を許容範囲に保つため、実用計算モデルの方法を開発し、混合ガスの調合操作に数量化された根拠を提供した」。

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