2011年11月01日-11月04日
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2千年前の中国古代の超新星爆発の謎を科学者が解明

2011年11月01日

 米航空宇宙局(NASA)が運営する宇宙望遠鏡2台の助けを借りて、人類の記録にある初めての超新星爆発に関する謎を解明するのに科学者が成功した。この超新星は今から約2千年前に爆発したものだ。

 西暦185年、中国の東漢の時代、当時の中国の天文学者が超新星の爆発プロセスを観察して「客星」として記録に残した。後の「後漢書」には次のような記載がある。「十月癸亥、一つの客星が南門に出現、笠のように大きく色鮮やかで、その後徐々に衰え、翌年六月にはなくなった。」当時の中国の天文学者たちは夜空に鮮やかな「新星」を発見、翌年の6月にかけて徐々に消えたその星は8カ月近く空に輝いていたことになる。1960年代に科学者達の研究により、この記載は人類の歴史上最も早い超新星の爆発記と確認された。

 NASAスピッツァー宇宙望遠鏡と広角赤外線探査装置(WISE)の強力な赤外線観測能力をより所に、科学者達はこの超新星の爆発が宇宙のガスや宇宙塵が比較的まばらな区域で起こった事を発見した。研究者によると、こうした環境での超新星爆発の光はより速く遠くまで到達するという。

 米国ノース・カロライナ州立大学の天文学者ブライアン・ウィリアムス(Brian Williams)博士は「この超新星の爆発が残した痕跡は現在は非常に大きく、拡張スピードも極めて速い。実際、現在のサイズは2千年前に爆発した超新星が残すだろうと我々が予想した痕跡の2ー3倍に達している。我々はやっとその縁を探し当てたところだ」と語っている。

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