室蘭市輪西町に住む元教員の岡原正司さん(81)にこのほど、中国キャリアロケット技術研究院の朱錫義教授から中国のドッキング目標機「天宮1号」の模型が贈られてきた。国賓への寄贈用に制作された数少ない模型で、岡原さんは遠路はるばる届いたプレゼントに喜んでいる。
岡原さんは高校教員として働いた後、1992年から1年間にわたり、ハルビン工業大学で日本語教師を務めた。朱さんは岡原さんの教え子の1人だった。朱さんはその後、日本の大学への留学を希望したが、どの大学にも受け入れてもらえず、困っていたところ、岡原さんの助けで北海道大学に入学することができた。岡原さんはその後、朱さんの保証人になっただけでなく、下宿先探しも手伝ってくれ、さらに輪西の自宅に招き、近くの観光地を案内するなど、まるで家族のように世話をしてくれたという。
朱さんは帰国後同研究院の教授となり、現在は学術界で頭角を現しつつある。岡原さんの恩に答えるため、朱さんはこれまでにもキャリアロケット「長征2号E」、有人宇宙船「神舟5号」、「神舟7号」、月探査衛星「嫦娥1号」の模型を贈ってきた。どの模型も国賓向けの精巧な造りのものだ。
天宮1号は先月29日に打上げに成功し、まもなく初の無人ドッキング試験が行われる予定だ。岡原さんが受け取った模型は39分の1のサイズで、非売品。岡原さんは「このような模型は数十個しか生産されない。日本で持っているのは私だけだろう。とてもうれしい。中国の人はいつまでも恩を忘れない」と語る。人民網が1日に伝えた。