2011年11月01日-11月04日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年11月01日-11月04日 >  有人宇宙船クルーの一次選抜終了、ドッキングの訓練中

有人宇宙船クルーの一次選抜終了、ドッキングの訓練中

2011年11月03日

 計画によると来年、有人宇宙船とドッキング目標機「天宮1号」のドッキングが行われる予定で、宇宙飛行士が手動でドッキングの操作を行う。もし手動でのドッキングに成功すれば、中国は真の意味でドッキング技術を掌握したといえる。

 ドッキング任務を行う宇宙飛行士の第一次選抜はすでに終了しており、宇宙飛行士は現在、ドッキングに向けた訓練段階に入っている。人民日報が3日に伝えた。

 ▽訓練のポイントは手動ドッキング

 宇宙飛行士部門の黄偉芬・副総設計師によると、飛行士はすでに合同訓練を終え、現在は手動でのドッキング、ドッキング目標機との結合体関連技術、飛行手順など、ドッキングをめぐる理論的・実践的な訓練を展開している。

 宇宙船「神舟」シリーズによるこれまでの任務と比べても、今回の訓練の難易度と複雑さは過去に例を見ない。手動ドッキングだけでも1人あたりの訓練回数は数百回に上り、クルーは打上げ前に1千時間に上る訓練を行わなければならない。

 宇宙飛行士部門の陳善広・総指揮によると、ドッキング訓練の重点は手動でのドッキング技術だという。手動でドッキングを行う際は主に操縦レバーを通じて制御する。具体的には、操縦レバーを操作しながら宇宙船の前進速度と姿勢を調整し、メーターに表示された宇宙船の十字スケールとドッキング目標機の十字ターゲット、ターゲットサイトの中心を合わせる。3者がぴったり重なり、ドッキング機関が接触すれば、メーターにドッキング捕捉信号が現れ、ドッキングが成功する。

 ▽等身大のシミュレーターで訓練

 黄副総設計師によると、宇宙船とドッキング目標機はいずれも高速で飛行しており、ドッキングは非常に複雑なプロセスとなるため、非常に精確で冷静沈着な操作が要求される。「ドッキングの過程では、2つの宇宙機の相対的な速度と姿勢を的確に判断し、レバーで絶えず修正しなければならない。このため高い位置判断能力、目と手の協応動作能力が要求される。宇宙飛行士はこのほか、燃料と時間にも気を配り、一定時間内にドッキングを完了しなければならず、精神的強さも試される。さらに、無重力の環境では不快な症状が出ることもある。これらはいずれも手動ドッキングの操作に影響する可能性がある」。

 訓練は宇宙飛行士センターの宇宙船シミュレーター、ドッキング目標機-結合体シミュレーターの中で行われている。これらのシミュレーターは等身大のもので、宇宙飛行士たちは緊急時の判断能力と対応能力を訓練するため、故意にアクシデント(宇宙船の姿勢が大きくずれる、突如としてドッキングのスピードが上がるなど)を設定し、操作の難度を高めている。宇宙飛行士はこのほか、宇宙医学実験の技術も学んでいるという。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます